「最後の日に、何もなかった」

昨日、施設長が退職された日だった。

いろんな場面を見てきた人。それでも――朝礼でも、夕礼でも、挨拶はなかった。

「今日で最後です」その一言も、なかった。

現場はいつも通り。

入浴して、コール対応して。バタバタと時間が過ぎていく。

誰も触れない。誰も話題にしない。

気づけば、一日が終わっていた。

退職って、こんなに静かなものだったっけ。

何もなかったみたいに、ただ、いなくなる。

それが、少し怖かった。

退職日、知らなかったとは言え、お世話になった人にお礼の言葉も言わずに帰ってしまった私。

知ったのは退勤後、更衣室での会話でした。

ここで働くって、こういうことなのかもしれない。

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